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Q48 限定承認の利用場面

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お亡くなりになられた方が、もし借金だらけだったら・・相続したくないですよね?
こういった場合、「相続放棄」を行うことで、借金を相続しないことが可能となります。
 
しかし、もしお亡くなりになられた方が、借金だけでなく、プラスの財産もお持ちの場合はどうでしょうか?
「相続放棄」を行うと、借金だけでなくプラスの財産も相続することができなくなってしまいます。
プラスの財産だけは引き継ぎたい!と考える方もいるかもしれません。
 
そこで、「限定承認」という制度があります。
限定承認は、「相続放棄」と「単純承認」の中間的な位置づけの制度となります。
被相続人の「プラスの財産の範囲内で」借金を相続する制度となります。
この制度では、借金を一部相続する代わりに、プラスの財産の相続が可能となりますので、例えば自宅だけを確保したい場合などによく利用されます。
 
(イメージ図)

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1. 相続方法の決定

相続が発生した場合は、相続発生後3か月以内に、単純相続、相続放棄、限定承認のいずれかを選択しなければいけません。
 

単純承認 被相続人のすべての資産・負債を相続する。 一番オーソドックスな方法。
3か月以内に何もしなければ、「単純承認」をしたものとみなされます。
相続放棄 被相続人のすべての資産・負債を相続しない。 被相続人が借金だらけの場合、相続放棄を行うことで借金の相続を免れるものです。
相続自体最初からなかったものとされます
限定承認 被相続人のプラスの財産の範囲で負債を相続する。 全ての借金の肩代わりはできないが、相続放棄するのはもったいない。
プラスの財産の範囲で負債を引き継ぐものです。

 

2. 限定承認の利用場面


(1) 自宅を確保したい場合

相続放棄を行うと、借金だけでなくプラスの財産も相続できません。
例えば、被相続人と同居していた相続人は、相続放棄を行うと、自宅を明け渡さないといけないことになります。
この点、「限定承認」であれば、借金は引き継ぐ代わりに、プラスの財産である自宅は引き継ぐことが可能ですので、自宅だけは確保することが可能となります。
 

(2) 財産や債務が不明な場合

被相続人が残した財産が「プラス」なのか「マイナス」なのか?わからない場面では、「限定承認」が有効に機能します。
なぜなら、わからないまま「単純承認」や「相続放棄」をしてしまうと、想定外の借金を背負うリスクや、逆に、莫大な資産が存在していた場合には、大きな機会損失が発生してしまうリスクがあるためです。
限定承認では、最終的に債務よりもプラスの財産が上回る部分は引き継げますので、上記のリスクを和らげる効果があります。
 

(3) 相続財産の中に、引継ぎたい資産が含まれている場合

例えば、遺産の中に、先祖代々の家宝や、希少価値のある資源などが含まれている場合も「限定承認」は有効に機能します。
限定承認を行うことにより、負債は引き継ぐ代わりに、家宝や宝石などは引き継ぐことが可能になりますので。
 

3. 留意事項


(1) 相続人全員の同意が必要

「相続放棄」は、相続人各人が「自分だけ」で手続きをすることが可能ですが、「限定承認」は、「家庭裁判所で、法定相続人全員で限定承認の申述」が必要となります。
なぜなら、相続財産のプラスとマイナスの財産は「全体として計算」されるため、一部の人についてだけ「限定承認」を認めることは物理的にできないからです。
一人でも単純承認すると、限定承認ができなくなります。限定承認を行うには、他の相続人全員が限定承認するか、他の相続人全員に相続放棄してもらう必要があるんですね。
 
また、家庭裁判所の手続きは、非常に煩雑で、しかもコストがかかります。
この点で、実務上、「限定承認」は、あまり利用されていないのが現状です。
 

(2) みなし譲渡所得税(所得税法59条)

限定承認が行われると、すべての資産が、被相続人から相続人に「相続開始時の時価で譲渡」があったとみなされ、「みなし譲渡所得課税」が発生します。
相続開始時に含み益がある資産については、所得税がかかることになります。
古い自宅などは、譲渡所得税が発生する可能性が高いです。
 
ただし・・これはデメリットとも言えません。
このあたりは次回お伝えします。