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Q91 換価分割の際の「単独登記」と贈与税の関係

DR167
 

 
「換価分割」を行う場合は、不動産を売却する手続が生じます。
この点、売却する際の不動産名義は、「共同相続人の全員名義より、代表者単独名義」の方が、押印や資料準備等の面で、スムーズに手続を進めることができます。
 
そこで、換価分割の実務では、
①便宜上、一旦「代表者名義」で単独相続登記を行い代表者が売却、
②その後に、売却代金を他の相続人に遺産分割割合で金銭を配分する
 
といった方法が採られる場合があります。
いわゆる「単独登記」呼ばれるものです。
 
しかし、この「単独登記」の場合、「売却代金を各相続人に配分する行為」が「贈与」に該当し、「贈与税」が生じないのか?という疑問が生じます。


 

1. 換価分割とは?

換価分割とは、相続不動産を売却し(換価)、その売却代金を相続人で分割する方法です。
 


 

2. 換価分割の不動産登記名義

換価分割を活用して「相続不動産」を売却するには、一旦不動産を、被相続人名義から相続人名義に変更(相続登記)しなければ売却ができません。
 
登記名義の変更には、①共有登記②単独登記の2種類があります。
以下、それぞれに分けて説明します。


 

(1) 共有登記

「法定相続分」による共有名義で相続登記を行い、共有名義のまま売却を行います。
共有名義での売却の場合、共有名義人全員の承諾が必要となりますので、相続人が多数存在する場合などは、実現が困難な場合があります。


 

(2) 単独登記

共同相続人のうち代表者を決め、便宜上「代表者単独名義で相続登記」を行い、代表者名義で売却を行います。
共同相続人が多数存在する場合は、共有登記よりも単独登記の方が、スムーズに手続を進めることが可能です。


 

3. 単独登記と贈与税の関係

単独登記の場合、形式上は「単独登記名義」の人が不動産の売主となり、売却後に他の共同相続人に代金を配分することになります。
 
この、売却後の配分は「贈与」に該当し、贈与税は生じないのでしょうか?
(共有登記の場合は、「贈与税」の問題は生じません)
 
この点、換価分割のための「単独登記」による売却&配分に関しては、国税庁に以下の回答があります。

 

【照会要旨】
遺産分割の調停により換価分割をすることになりました。
ところで、換価の都合上、共同相続人のうち1人の名義に相続登記をしたうえで換価し、その後において、換価代金を分配することとしました。
この場合、贈与税の課税が問題になりますか。
 
【回答要旨】
共同相続人のうちの1人の名義で相続登記をしたことが、単に換価のための便宜のものであり、その代金が、分割に関する調停の内容に従って実際に分配される場合には、贈与税の課税が問題になることはありません。

 
単に「換価のための便宜」での単独登記であれば、その後の代金が実際、遺産分割協議(調停)に基づいて配分されたなら、贈与税の問題は生じないということですね。


 

4. 遺産分割協議書での記載

贈与税の問題が生じないように、便宜上単独名義で不動産を売却する場合は、「遺産分割協議書」で、その旨を記載しておくことが必要です。
例えばこんな感じです。
 
(単独登記での「遺産分割協議書」の例)

被相続人00の遺産相続につき、相続人Aと相続人Bは遺産分割協議を行い、本日、次のとおり合意した。
一.相続人Aは、次の相続財産を相続する。
  (00不動産)
二.相続人Aは、前項の不動産を速やかに売却・換価するものとし、売却代金から売却に関する一切の費用(仲介手数料、登記費用、譲渡所得税等)等を控除した残額を、全相続人の間で法定相続割合に従って分割、取得する。
三.売却の便宜のため、Aが本件土地につき単独相続の登記を行うことをBは承諾する。


 

5. 参照URL

(遺産の換価分割のための相続登記と贈与税)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/sozoku/13/01.htm