Q10 死亡保険金と相続税の関係

公開日:2017/03/29 最終更新日:2020/07/26

DR071

 
一般の死亡保険金をイメージしてください。
例えば、旦那様が、自分自身を被保険者(受取人 奥様)として支払っていた保険料の場合、旦那様が亡くなった時点で、奥様に「死亡保険金」が支払われます。
 
でも・・よく考えると、この「死亡保険金」は保険会社から取得するものなので被相続人の相続財産から取得したものではありません。つまり、死亡保険金は、「本来の相続財産」とは言えません。
「本来の相続財産」ではないんだったら、相続税ってかからないんじゃないの?って思いますよね。
 
でも・・相続を起因として取得したものには違いないので、課税の公平性の観点から、「生命保険金」は、相続又は遺贈で取得したものとみなされ「相続税の課税対象」となります。
 
「みなし相続財産」と呼ばれます。
(以下、話を簡単にするため、契約者 = 保険料負担者を前提に記載します。)

 

(一般的な死亡保険の例)

お父さんが、自分を被保険者(被保険者 = 被相続人)として自分で保険金を支払っている場合です。受取人は奥さんです。
この場合、奥様は、「みなし相続財産」である「生命保険金」に相続税がかかります。

 Q10-1

1.生命保険の非課税枠とは?

「みなし相続財産」として相続税がかかるとしても、保険をあてに、今後の生活を考えていた遺族は・・ちょっとかわいそうな感じがしますよね。
 
そこで・・生命保険金は、遺族の生活保障の観点から、一定の金額が「非課税」とされています。

(対象は「相続人」のみ。相続を放棄した者、相続権を失った者は含まない)

 

生命保険金の非課税枠 = 500万円 × 法定相続人の数

 

例えば、上記例での非課税枠は、以下となります。

  • 子供がいない場合・・・500万円 × 1人(奥さん)= 非課税枠は500万円
  • お子さんが2人いる場合・・・500万円 × 3人(奥さん・子2人)= 1,500万円

 

2.死亡保険金は「遺産分割」の対象外

生命保険の死亡保険金は、保険金受取人固有の財産となり、遺産分割協議の対象外となります。
何が言いたいかというと、「相続財産」であれば、各相続人の話し合いにより「遺産分割」を行う必要がありますが、「死亡保険金」は「受取人に固有に帰属」する財産なので、遺産分割の対象とならないということです。
 
見方を変えると、「遺産分割」の対象にしたくない場合(特定の相続人だけに財産を残したい場合)は、こういった「生命保険の非課税枠」活用することが非常に有効です。
保険金はすぐに支払われるため、「遺産分割対策」や、「納税資金対策」としても有効な手段です。
 

3. 死亡保険金と各種税金の関係

受取人が取得した保険金には、何らかの税金がかかります。

先ほどの例の「死亡保険金」は、「相続税」がかかるケースでした。

しかし、契約形態や保険料負担者が誰か?によって、相続税ではなく、所得税や贈与税がかかるケースもあります。

 

保険料負担者、受取人との関係で、課税される税金を比較すると以下の通りとなります。

 

被保険者 保険料負担者
(契約者)
受取人 課税される税金の種類
お父さん お父さん お母さん 相続税(※1)
お父さん お母さん お母さん 所得税(※2)
お父さん お母さん お子さん 贈与税(※3)

 

(※1)負担者(契約者)と被保険者が同一&受取人が家族

お父さんが、受取人をお母さんとして、自分自身で保険を支払っている場合です。

お父さんの「みなし相続財産」として、お母さんに「相続税」が課されます。

先ほどの例のパターンですね。
 
500万円×法定相続人数が、「非課税限度額」として認められますので、通常は、このパターンが、一番税金がかからないケースが多いと思います。

 
 

(※2)負担者(契約者)と保険金受取人が同一の場合

お母さんが、受取人「お母さん自身」で、お父さんに保険を掛けているケースです。

自分が掛けた保険に対して、自分で受け取るので「所得税」となります。
 
「保険料負担者」と「保険金受取人」が同一の場合、受け取る死亡保険金には、所得税(一時所得)が課税されます。

 

一時所得課税対象額 =(保険金 + 配当金 – 実払込保険料 – 50万円)× 1/2

なお、年金形式で受け取った時は。「雑所得」となります。

 
 

(※3)負担者(契約者)・被保険者・保険金受取人が異なる場合

お母さんが、受取人を子供として、お父さんに保険を掛けているケースです。
お母さんから子供への贈与として「贈与税」が課税されます。
 
「保険料負担者」「被保険者」「保険金受取人」がそれぞれ異なる場合、受け取る保険金は、「保険料負担者」から「受取人」に対する贈与として、贈与税が課税されます。

 

非課税限度額 = 年間110万円(暦年贈与)