「路線価地域」の相続税上の土地の評価は、「路線価」をもとに行います。
ただし、あくまで路線価は、「標準的な形状」の宅地の1㎡あたりの価額(千円単位)ですので、例えば、角地などの場合、通常の土地よりも利便性が高くなります。
そこで、相続税上は、当該利便性を反映して「一定の評価額の加算」計算を行います。
ただし、角地については、道路2面に面しているため、どちらの路線価を採用するのかによって評価が異なります。
今回は、角地の評価方法につき解説します。
目次
1. 角地の種類
(1) 角地・準角地とは?
角地とは、敷地の2面が道路に接する土地のことです。角地は、敷地の1面だけが道路に接している場合に比べ、利便性が高く価値が高く評価されます。
ただし、角地といっても通常の「角地」と「準角地」の2種類があります。
イメージはこんな感じです。
どこが違うのでしょうか?
どちらも、正面と側面が道路には面していますが、角地は、2系統以上の通行方法があるもので、準角地は、1系統の通行方法しかない点が異なります。準角地は、 1つの道路の曲がり角の内側にある土地となります。
準角地は、角地に比べると、利便性は多少劣るため、加算される価値は、角地の方が高くなります。
(2) 準角地の影響加算はどこまで?
例えば、屈折路に接する土地などで、側方路線影響加算をすべき土地かどうか?微妙な場合が合います。
下記のようなケースです。
「財産基本通達」では、側方路線影響加算を適用する「屈折角度」についての記載はありませんが、実務上は、150度を目安として、「側方路線影響加算」をするかどうか決定することが多いです。屈折角度が150度までいかない場合は、準角地として「側方路線影響加算」を行います。
2. 角地・準角地の評価方法
「角地」「準角地」は、2面が道路と接しているため、一般的に、他の土地と比べて利便性が高いため、土地の評価額も高くなります。
相続税上は、「側方路線影響加算率」という率を用いて、土地の評価額を増額させます。
角地の評価は、以下となります。
- ① 正面路線価 × 奥行価格補正率
- ② 側方路線価 × 奥行価格補正率 × 側方路線影響加算率(円未満切捨)
- ③ 角地等の評価 =(① + ②) × 地積(㎡)
- 「奥行価格補正率」は、国税庁HPで、所在する地区ごとに定められています。
- 「側方路線影響加算率」も同様に、国税庁HPで定められています。所在する地区、及び角地か準角地かによって異なってきます。