Q74【具体例付】角地・準角地の土地相続税評価方法/側方路線影響加算率による補正で評価は高くなる!

 最終更新日:2022/08/09 閲覧数:5,614 views

「路線価地域」の相続税上の土地の評価は、「路線価」をもとに行います。
ただし、あくまで路線価は、「標準的な形状」の宅地の1㎡あたりの価額(千円単位)ですので、例えば、角地などの場合、通常の土地よりも利便性が高くなります。
そこで、相続税上は、当該利便性を反映して「一定の評価額の加算」計算を行います。

ただし、角地については、道路2面に面しているため、どちらの路線価を採用するのかによって評価が異なります。
今回は、角地の評価方法につき解説します。

 

1. 角地の種類

(1) 角地・準角地とは?

角地とは、敷地の2面が道路に接する土地のことです。角地は、敷地の1面だけが道路に接している場合に比べ、利便性が高く価値が高く評価されます。

ただし、角地といっても通常の「角地」と「準角地」の2種類があります。

イメージはこんな感じです。

どこが違うのでしょうか?
どちらも、正面と側面が道路には面していますが、角地は、2系統以上の通行方法があるもので、準角地は、1系統の通行方法しかない点が異なります。準角地は、 1つの道路の曲がり角の内側にある土地となります。
準角地は、角地に比べると、利便性は多少劣るため、加算される価値は、角地の方が高くなります。

 

(2) 準角地の影響加算はどこまで?

例えば、屈折路に接する土地などで、側方路線影響加算をすべき土地かどうか?微妙な場合が合います。
下記のようなケースです。

「財産基本通達」では、側方路線影響加算を適用する「屈折角度」についての記載はありませんが、実務上は、150度を目安として、「側方路線影響加算」をするかどうか決定することが多いです。屈折角度が150度までいかない場合は、準角地として「側方路線影響加算」を行います。
 

2. 角地・準角地の評価方法

「角地」「準角地」は、2面が道路と接しているため、一般的に、他の土地と比べて利便性が高いため、土地の評価額も高くなります。
相続税上は、「側方路線影響加算率」という率を用いて、土地の評価額を増額させます。

 
角地の評価は、以下となります。

  • ① 正面路線価 × 奥行価格補正率
  • ② 側方路線価 × 奥行価格補正率 × 側方路線影響加算率(円未満切捨)
  • ③ 角地等の評価 =(① + ②) × 地積(㎡)

 

  • 「奥行価格補正率」は、国税庁HPで、所在する地区ごとに定められています。
  • 「側方路線影響加算率」も同様に、国税庁HPで定められています。所在する地区、及び角地か準角地かによって異なってきます。

 

3. 正面路線価の判定

(1) 正面路線価の判定ルール

上記式に出てくる「正面路線価」とは、2路線どちらの道路を指すのでしょうか?
角地については、どちらの路線を「正面路線価」にするか?のルールがあります。
以下となります。
 
それぞれの路線価×奥行価格補正率⇒金額が高い方が「正面路線価」
 
正面路線価をどちらにするか?で、土地の評価額はかなり変わってきますので、この判定は非常に重要です。
(実際に正面として利用しているかどうか?は全く関係ありません)
 

(2) 具体例

【角地】

 

【正面路線価の判定】
路線価 × 奥行価格補正率 ⇒ 高い方

  • 250千円 × 1.00(奥行20mの奥行価格補正率)= 250千円
  • 260千円 × 0.94(奥行36mの奥行価格補正率)= 244.4千円

 
250千円 > 244.4千円のため、金額の高い250千円の路線が「正面路線価」、260千円の路線価が「側方路線価」となります。
 

4. 側方路線影響加算率とは?

角地・準角地は、通常の土地よりも利便性が高いため、「側方路線影響加算率」を用いて、評価額を加算します。
側方路線影響加算率は、地区区分ごとに国税庁HPで開示されています。
以下の通りとなります、角地、準角地で加算率が異なり、角地の方が加算率は高くなります。
 

 

5. 角地評価の具体例

下記の「角地」の相続税評価額を算定します。
「普通住宅地区」とします。

 
【角地】

 

(1) 正面路線価の判定

  • 250千円 × 1.00(奥行20mの奥行価格補正率)= 250千円
  • 260千円 × 0.94(奥行36mの奥行価格補正率)= 244.4千円

 
250千円 > 244.4千円のため、金額の高い250千円の路線が「正面路線価」、260千円の路線価が「側方路線価」となります。
 

(2) 正面路線価 × 奥行価格補正率

250千円 × 1.00(奥行20mの奥行価格補正率)= 250千円
 

(3) 側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率(円未満切捨)

260千円 × 0.94(奥行36mの場合の奥行価格補正率)× 0.03(角地の側方路線影響加算率) = 7,332円
 

(4) ((2)+(3))×地積(㎡)

( 250,000円 + 7,332円 )× 720㎡ = 185,279,040円
 

【ご参考~準角地の場合】
上記(1)(2)は全く同じ。(3)以降が異なる。
 
260千円 × 0.94(奥行36mの場合の奥行価格補正率)× 0.02(準角地の側方路線影響加算率)= 4,888円
( 250,000円 + 4,888円 )× 720㎡ = 183,519,360円
 

6. 参照URL

(No.4604 路線価方式による宅地の評価)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4604.htm
 

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