Q78「隅切り」がある場合の間口距離の求め方/想定整形地の長さ?不整形地補正は可能か?

 最終更新日:2022/11/19 閲覧数:28,877 views

 

「隅切り」とは、道路の交差点などで、見通しを確保するために、角が切られた地形のことを言います。
自治体ごとに、「隅切り」が必要な場合が定められているケースもあります。
 
相続税上、こういった「隅切り」がある土地を評価する場合、間口距離につき、どの長さを利用するのか?迷いが生じます。隅切り後の長さなのか?隅切りを考慮しない長さなのか?という点です。
 
今回は、隅切がある土地につき、実務上迷いやすいパターンごとに、間口距離の算定方法を解説します。
また、隅切り部分を「かげ地割合」として、不整形地補正率の適用が可能か?についても解説します。
(なお、隅切りも含めた、間口距離で迷いやすい事例全般は、別途Q100でまとめております)。

 

1. 間口距離を利用する場面

間口距離とは、宅地が「道路に接している」長さのことです。
例えば、下記の図では、左の土地は間口距離20m、右の土地は間口距離10mです。
 

 

【間口距離を利用する場面】

(1) 不整形地の「間口補正率」を算定

間口が狭い場合や、間口距離と奥行距離との比率が極端な場合などは、通常の標準的な宅地と比べると、土地の利用価値が下がります。そこで、「間口距離」を用いて、土地の評価を補正するケースがあります。間口狭小補正率、奥行長大補正率と呼ばれています。詳しくはQ99をご参照ください。
 

(2) 不整形地の「奥行価格補正率」の算定(計算上の奥行の算定)

不整形地を評価する際は、奥行距離に応じた「奥行価格補正率」による評価減が可能ですが、当該「奥行距離」の算定に当たって、「間口距離」を利用します。
不整形地の奥行距離は、①実際の奥行距離と②計算上の奥行距離を比較し、短い方の奥行距離を採用します。当該②「計算上の奥行距離」は、以下の式で算定します。
 

計算上の奥行距離 = 土地面積 ÷ 間口距離(道路に接している長さ)

 
つまり、不整形地の「奥行価格補正率」を決定する際に、「計算上の奥行距離」を算定する必要があり、当該場面で「間口距離」が必要となります。

 

2. 通常の隅切り



下記のような、一般的な隅切りの場合、「間口」はどちらになるでしょうか?

 


この場合、「隅切り部分を含めた長さ」を、間口距離とします(隅切りがない「想定整形地」の間口距離)。
つまり、上記の場合、隅が切り取られていない場合の長さ、「緑部分30M」が間口距離となります。

 

3. 私道が横にある場合

上記1の「隅切りされた土地」の横に「私道」があり、当該「私道を評価」する場合はどうでしょうか?

この場合は、上記1と逆、「隅切りを除いた部分」を、間口距離とします。
つまり、上記の場合、隅切り部分を考慮しない長さ、「緑部分2M」が間口距離となります。
 

4. 隅切りが広がった土地

下記のように、隅切り部分が広がった土地はどうでしょうか?

 

この場合は、「2.私道」と同様、「隅切りを除いた部分」を、間口距離とします。
つまり、上記の場合、隅切り部分を考慮しない長さ、「緑部分29M」が間口距離となります。

ただし、本来の「隅切り」以上の役割を果たすような場合は、実際道路に接する部分を間口距離とすることもあります。
 

5. かげ地割合

隅切り部分がある土地の場合、厳密にはきれいな整形地ではありません。したがって、「隅切り」部分は、不整形地補正における「かげ地」と考えて、減額補正が可能と考えられています。

ただし、隅切り部分の占める割合が少ない場合は、宅地としての効用を阻害しているとまで言えないとして、不整形地補正が認められなかった判例もあるようです(平成8年1月26日 東京地裁)
 

6. 参照URL

 

(間口距離の求め方)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hyoka/03/08.htm