Q41 養子が代襲相続できる場合・できない場合/孫養子が二重相続資格者になる場合の法律上・相続税上の取扱い

 最終更新日:2023/01/06 閲覧数:2,520 views


 

養子縁組をした人は、実子と同様に取り扱われるため、原則として、その養子の「子供」にも「代襲相続権」は認められます。
しかし、養子縁組を行った時期との関係で、養子の子供に「代襲相続権」が認められない場合があります。
 

実務上、養親の相続人になれることは知っていたが、養親が亡くなった後、代襲相続人になれることはは知らない方が多いです。そこで今回は、養子が代襲相続人になれるケース、なれないケースにつきまとめます。

1. 代襲相続とは?

代襲相続とは、相続開始時点で既に「法定相続人」が亡くなっている場合に、亡くなった「法定相続人」の代わりに、「代襲相続人」が財産を相続する制度です。
 
サザエさんに例えると、例えば、波平が亡くなった際、本来はサザエが法定相続人となりますが、波平死亡前に、既にサザエが亡くなっている場合、たらちゃんが本来の法定相続人のサザエに変わって波平の財産を代襲相続できます。(詳しくは、Q51をご参照ください。
 

2. 養子の子供の代襲相続権は?

養子であっても、相続税上は実子と同様に取り扱われるため、「養子の子供」には「代襲相続権」が認められます。
実務上、養子縁組をするケースは、①配偶者の連れ子と養子縁組②、配偶者の親と養子縁組(婿養子)が多いです。こういった場合、養子の子供には代襲相続が認められますが、要親の親や兄弟とは疎遠なケースが多く、代襲相続の存在や、亡くなったことすら知らないケースも多いです。
 

2. 代襲相続権が認められないケース

しかし、「養子になったタイミング」により、「代襲相続権」が認められないケースがあります。

民法上、養子は、「養親と養子縁組を行った日から法定血族関係(親族関係)に入る」と規定されています。
 
つまり、養子縁組を行った後に初めて親族関係になりますので、親族関係に入った後に生まれた子供だけが親族関係となり、養子縁組を行う前から存在する養子の子供は、被相続人の「親族関係」にはならないからです。
 
養子と代襲相続権の関係をまとめると、以下のとおりとなります。
 

種類 代襲相続権
養子縁組を行った時点で既に存在した「養子の子」 なし
養子縁組後に生まれた「養子の子」 あり

 

3. 孫を養子に入れると代襲相続と重複する

事例で解説します。
●今回の被相続人は父(配偶者、実子2人 長男次男)
●父は、生前、次男の子(孫)と養子縁組をしている
●次男は、父が亡くなる前に、既に死亡している

上記の場合、法定相続割合は以下となります
 

配偶者 1/2
長男 1/6 0万円
孫(次男の代襲相続) 1/6
養子(孫) 1/6

 

(1)法律上の相続割合

孫は、被相続人と養子縁組をしているため、実子としての相続と、次男の子供としての代襲相続人の2つの立場を持ちます(二重相続資格者と呼ばれます)。したがって、上記の場合、孫は、1/6+1/6=2/6の法定相続割合の相続が可能です。
孫が養子と代襲相続人で同一人物だからと言って、長男と半分ずつ(1/4ずつ)になるわけではない点、十分ご留意ください。
 

(2)相続税上の基礎控除等

上記の通り、孫が二重相続資格者となった場合でも、相続税上の基礎控除や生命保険の控除については、相続人2人ではなく、1人としてカウントします。例えば、上記の場合、父相続時の基礎控除額は3,000万円+600万円×2人=4,200万円となります。「法定相続分」のように2人分にはなりませんので注意が必要です。相続税上は、二重相続資格者でも、法定相続人1人としてカウントされます。

(3)2割加算にはならない

上記のケースでは、孫は、養子としての立場と、代襲相続人としての立場の二重相続資格者となります。通常の孫養子の場合、相続税の2割加算の対象となりますが、今回のように二重相続資格者の場合、代襲相続人としての立場により取得したものとして、2割加算の対象にはなりません。
 

(3)二重相続資格者にならないケース

二重相続資格者になるケースは、上記のように、同一順位の相続資格が併存するケースのみです。例えば、被相続人の兄弟姉妹が、養子として入っていても、被相続人に実子がいる場合は、子供は第一順位、兄弟姉妹は、第三順位の相続順位のため、兄弟姉妹は、養子としての立場でのみ相続割合を有します。
 

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