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Q101 特定路線価は設定申請するべきか?

DR178

 

 
実務上、路線価地域内でも、土地の「路線価」が設定されていない道路があります。
こういった、土地の「路線価」がない場合、どうやって相続税評価をするのでしょうか?
今回は、路線価が設定されていない場合に、税務署に申請して設定する「特定路線価」につき解説します。


 

1. 特定路線価って?

路線価がついていない土地は、税務署に「路線価設定の申し出」をすることができます。
この「申し出」により、税務署が設定した路線価は、「特定路線価」と呼ばれます。
特定路線価は、通常、約1ヶ月程度で設定されるのが一般的です。

 

2. 特定路線価を設定できるケース

(1) 不特定多数の通行用の道路のみ

特定路線価が設定できるのは、「不特定多数の者の通行の用に供されている」道路だけです。
「特定の者」の通行の用に供されている道路(専用通路)には、特定路線価は設定できず、宅地の一部として一体評価することになります。
 

路線価は宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線ごとに設定する・・路線とは、「不特定多数の者の通行の用に供されている道路をいう」(財基通14)


 

(2) 建築基準法上の道路が対象

特定路線価が設定できる道路は、「建築基準法」の道路です。
「建築基準法上の通路に接していない土地」には、建物自体の建設ができませんので、特定路線価を設定したとしても、そこまでの価値があるとは思えません。
そこで、「建築基準法の道路に接していない土地」は、一般的には特定路線価の設定申請はせず、無道路地として評価します。
 

(建築基準法上の道路)
建築基準法42条Ⅰ①~⑤、42条Ⅱ、43条Ⅰ但書の許可を受けた道路


 

(3) 側方路線や裏面路線には設定できない

「路線価の設定されていない道路のみに接している宅地」しか、特定路線価は設定できません。
例えば、路線価がある道路と、路線価のない道路の両方に接道している土地については、特定路線価の設定はできません。
逆に言うと、「側方路線」や「裏面路線」には、特定路線価の設定はできないということですね。
 

路線価地域内において・・路線価の設定されていない道路のみに接している宅地を評価する必要がある場合には、・・・「特定路線価」・・を納税義務者からの申出等に基づき設定することができる(財評基通14-3)

 

(正面路線価はあるが、側方に路線価がない土地の評価)

この場合、正面路線価のみで評価します。
つまり、側方路線影響加算、二方、三方又は四方路線影響加算は適用されず、相続税評価額は低く抑えられます。
公道でもない道路に接しているからと言って、評価が加算されるのも・・変ですよね。
 
なお、特定路線価は、評価する対象の土地専用のものです。
たとえ、隣接する他の土地に設定された「特定路線価」が存在したとしても、当該特定路線価は、自分の土地を評価する際の路線価としては利用しません。
つまり、設定された特定路線価は「他の土地の評価」には影響を与えません。

 

3. 特定路線価は設定すべきか?

(1) 特定路線価は「高め」に設定される

特定路線価を申請した場合、通常は「高めに設定」されることが多いため、特定路線価を申請した結果、相続税評価額が高くなってしまう可能性は高いです。
 
路線価がついていない道路は、「私道」や「建築基準法上の道路ではない」場合がほとんどです。
こういった道路には、本来、特定路線価は設定できないはずなんですが・・税務署に申請すれば、実務上は、特定路線価が設定されてしまうことが多いです。
 
しかも・・特定路線価は、近隣土地や固定資産税評価額等を参考に設定されるため、思った以上に「高い金額」で設定されてしまいます。
 
特定路線価の設定は、「強制ではなく、あくまで任意」ですので、むやみやたらに申請するのが得策とは限りません。


 

(2) 実務上は?

私道」は宅地に含めて評価、「建築基準法上の道路でない」場合は、無道路地として評価した方が、ほとんどの場合、相続税評価は安くなります。無道路地の場合は、「旗竿地」評価で、相続税評価額を下げることができる場合もあります。
 

結論ですが・・特定路線価を設定申請する前に、まずは「無道路地、旗竿地としての評価ができないか?」を検討することが、相続税評価の観点からは有用かなと思います。
 
なお、「建築基準法上の道路かどうか?」は、役所などで確認ができます。