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Q16 配偶者が全額相続しない方がよいケース~2次相続を考慮した場合~

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前回、お伝えした通り、配偶者が相続する場合には、「配偶者控除」がありますので、相続税が大幅に軽減されます(相続税法19条)。
 
ただし・・配偶者控除があるからといって、「配偶者が全額相続した方がいい」・・とは限らないんですね!

第二次相続まで考慮した場合、トータルの相続税額が増加するケースがありますので、今回はその「事例」を作成しました。

 

1. 第二次相続までを考慮すると?

お父さんとお母さんは、年齢が近いことが一般的です。
つまり、お父さんが亡くなった場合(第一次相続)、遠くない将来、お母さんが亡くなって第二次相続が発生することが想定されます。

 

そして、第二次相続の方が、第一次相続よりも相続税が高くなるケースがあるんです。
理由は以下の通りです。

 

  • 第二次相続は、第一次相続と比べると、そもそもの「相続人」が1人減る
    ⇒基礎控除の額が減る
  • 第二次相続は、第一次相続で相続した財産だけでなく、「配偶者が元々保有する財産」も課税対象になるため、相続財産が多くなり、適用相続税率が高くなる可能性がある。

 

つまり・・第一次相続で相続する財産は、「第二次相続のことまで考慮」して決めておいた方が、税額が安くなるケースがあるんですね。

 

2. 例題

  • 父・母・子は1人のみ。父死亡(第一次相続)⇒母死亡(第二次相続)
  • 父固有の財産は100百万円、母固有の財産は100百万円。
  • 第一次相続の相続財産は、全額第二次相続する(相似税額控除はなし)。

 

  • ケース1
    第一次相続は「母が全額相続」&「配偶者控除」適用。その後 第二次相続。
  • ケース2
    第一次相続は「法定相続割合での相続」&「配偶者控除」適用。その後 第二次相続。

 

3.ケース1の場合

(1) 第一次相続の相続税額(母が、父固有の相続財産100百万円を相続)

 
① 母・・・配偶者控除全額適用により、相続税はゼロとなります。

② 子・・・お子さんは、第一次相続税は相続しませんので、相続税はゼロとなります。

③ 第一次相続の相続税額・・・ゼロ円となります。
 

(2) 第二次相続の相続税額(子が、母の財産200百万円を相続)

母は、父から相続した100百万円 + 母固有の財産100百万円 = 200百万円の遺産を残しています。
この場合、第二次相続時の相続税額は?(子)
 
(200百万円 – 36百万円(※))× 40% – 17百万円 = 48.6百万円
(※)基礎控除 = 30百万円 +(6百万円 × 法定相続人1人)= 36百万円

 

(3)合計相続税額(第一次相続+第二次相続)

 0円 + 48.6百万円 = 48.6百万円

 

4.ケース2の場合

(1)第一次相続の相続税額

 
① 母

(100百万円 – 42百万円(※))× 1/2 × 15% – 0.5百万円 = 3.85百万円 ⇒ 0円
⇒配偶者控除利用で、相続税額は最終的にゼロ
 
② 子

(100百万円 – 42百万円(※))× 1/2 × 15% – 0.5百万円 = 3.85百万円

 
③ 第一次相続の相続税額

 0円 + 3.85百万円 = 3.85百万円
(※)30百万円 +(法定相続人6百万円 × 2人)

 

(2)第二次相続の相続税額

母は、父から相続した50百万円(税額ゼロ)+ 母固有の財産100百万円 = 150百万円の遺産を残しています。
この場合、2次相続の相続税額は?(子)
 
(150百万円 – 36百万円(※))× 1/1 × 40% – 17百万円 = 28.6百万円
(※)30百万円 + (法定相続人6百万円 × 2人)

 

(3)合計相続税額(第一次相続+第二次相続)

3.85百万円 + 28.6百万円 = 32.45百万円

 

5.結果

ケース1よりもケース2の方が、相続税額は安く収まりました。
この例は、第一次相続で「配偶者が全額財産を引き継ぐのがベストではない」ことを示しています。

 

6. まとめ

配偶者控除があるからといって、第一次相続で「全額相続財産を引き継ぐのがベストではない」ケースがあるということです。
相続税は、相続の都度かかります。目の前の税額だけでなく、次の相続(第二次相続)も考慮の上、第一次相続で相続する財産を決めておくことが、結果的に相続税の節税につながるということですね!
 
第一次相続で配偶者の取得分を決める際には、第二次相続も考慮した税額のシミュレーションをお勧めします!