Q46 相続放棄と債務控除・未成年者控除等との関係

公開日:2017/10/18 最終更新日:2021/07/04 閲覧数:1,965 views

DR111

 

今回は「相続放棄」と「債務控除・未成年者控除等」の関係を解説します。

 

1. 債務控除

債務控除は、被相続人の借金や医療費等を相続人が負担していた場合、相続税計算時に控除することができる制度です。
 
相続放棄した場合は、プラスの財産もマイナスの財産も引き継がないため、「債務控除」を差し引くことはできません。



 

2. 葬式費用は?

葬式費用は、相続税上「債務控除」に該当しますので、相続税計算時に控除することができます。
 
では・・相続放棄があった場合はどうでしょうか?
 
被相続人が負担した「葬式費用」は、被相続人が残した「負債」とは性格が全く別物となりますので、相続放棄者が支払った葬式費用については、差し引くことができます。(相続税基本通達13-1)
 
相続放棄者は、財産を取得しないのに・・なんでこんな制度があるの?と思われるかもしれません。
実はこの制度、被相続人が、相続放棄者に対して「特定遺贈」を行っていた場合を想定しています
「相続放棄」と「遺贈」の制度は全く別の制度なので、相続放棄を行っても、別途特定遺贈により「遺贈財産を取得」することは可能です。
この「特定遺贈財産」には、他の相続財産と同様に、相続税が課税されます。
そこで、上記規定により、相続放棄者が「葬式費用」を支払っている場合には、遺贈財産から葬式費用を控除することができますよ!っていうロジックなんですね。



 

3. 未成年者控除・障害者控除は?

未成年者控除は、相続人が未成年者の場合、満20歳までの残年数につき、1年あたり10万円を相続税額から控除できる制度です。障害者控除は、相続人が障害者の場合、満85歳までの残年数につき、1年当たり10万円(特別障害者は20万円)を相続税額から控除できる制度です。
 
上記控除は、未成年者本人や障害者本人の税額から引ききれなかった場合、扶養義務者(他の相続人)の相続税額からも差し引くことができます。
 
未成年者や障害者である相続人が「相続放棄」を行った場合でも、相続税計算上は、相続放棄がなかったものとして計算しますので、未成年者控除・障害者控除を行うことが可能です。