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Q49 限定承認とみなし譲渡所得課税って?

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限定承認」が行われた場合、被相続人から相続人に、「すべての資産の譲渡」があったものとみなされます
 
ここでの譲渡価格は「相続開始時の時価」とされているため、相続時点で含み益がある資産については、「みなし譲渡所得課税」が発生します。例えば、取得価額の低い自宅などは、相続時点で含み益が発生している可能性が高いため、相続税とは別に所得税もかかることになります(所得税法59条)。
結構インパクト大きいですよ!
 
でも実際・・みなし譲渡所得課税が発生するからといって、限定承認は単純に損?ということになるのでしょうか?
実は・・そうではないんですね。
 

1. みなし譲渡所得課税の趣旨

実は・・みなし譲渡所得課税制度は、相続人に生じるであろう、将来の売却にかかる「譲渡所得税」を軽減することを目的としています。
 
通常の相続(単純承認)と比較するとわかりやすいです。
通常の相続の場合、相続人は、相続時の時価ではなく、被相続人の取得価額を引き継ぎます。したがって、相続人が将来、資産を売却する場合には、被相続人の当初取得価額と売却価額との差額につき莫大な「譲渡所得税」が発生します。
 
一方、「限定承認によるみなし譲渡所得課税」では、相続時までの含み益に対応する所得税は、一旦被相続人負担として譲渡所得税を課税します。そして、相続人は、相続時点の時価で取得価額を引き継ぎ、相続人が将来、資産を売却する場合には、相続時の時価と売却価額との差額(相続後の含み益)だけに課税されることになります。
 
(イメージ図)
 
49-1
 

どのみち、相続時点までの含み益も、被相続人にみなし譲渡所得課税がされるのなら、納税負担があるので同じなのでは?と思われるかもしれません。
 
しかし、限定承認により引き継ぐ負債は、あくまで「被相続人のプラスの財産の範囲内」です。
つまり、負債が資産を超えている場合は、租税債務も切り捨てられますので(租税債務も「負債」です)、結果的に、相続時点までの含み益にかかる租税債務はゼロとなります。
一方、相続人が、将来当該不動産を売却する場合は、相続以降の含み益に対する課税のみとなり、結果的に被相続人の税金負担を軽減する効果があることになります。
 

2. みなし譲渡所得課税の効果

 

資産<負債の場合 限定承認では、プラスの財産を超える部分は切り捨てとなりますので、みなし譲渡所得にかかる納税は発生しません。
資産>負債の場合 プラスの財産が多いため、みなし譲渡所得にかかる納税が生じ、その分相続財産は減少します。
ただし、当該所得税債務も、他の借入金同様、相続人の債務ですので、相続税の計算上「債務控除」の対象となります。

 


3. みなし譲渡所得所得税の確定申告

みなし譲渡所得に関する所得税は、被相続人の準確定申告によって申告・納税します。
(相続開始日から4ヵ月以内)。


4. 留意事項

  • みなし譲渡所得計算時の、不動産の「時価」は、相続税評価額(路線価等)とは異なります。
    時価については、「適正な時価とは?」をご参照ください。
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  • みなし譲渡所得課税が生じる場合は、必然的に親族間での売買となります。
    したがって、「居住用財産の3,000万円特別控除」の要件は満たしません。
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  • みなし譲渡所得課税が適用された不動産の「取得日」は「相続開始日」となります。
    もし、相続人が、不動産を相続後短期間で売却する場合は、「短期譲渡」に該当し、税率が高くなる可能性があります。
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  • 限定承認では、被相続人に譲渡所得税が課税されます。
    しかし、被相続人は、翌年1月1日現在は住所がありませんので、住民税は課税されません。
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  • みなし譲渡所得課税の申告(準確定申告)を失念していた場合、加算税や延滞税がかかります。
    これらは相続人自身の負担になります。