Q71【非課税財産】墓地や仏壇などに相続税は課税されるのか?債務控除は?/交通事故の損害賠償金や一審専属権は?

 最終更新日:2022/06/03 閲覧数:2,951 views

 

基本的には「金銭的な価値」があるものは、すべて相続税の課税対象となりますが、例外的に、相続税上、「相続財産」のうち、相続税が課税されないものが定められています。
 
例えば、墓地や墓石、仏壇などは課税されません。
逆に考えると、「生前にお墓などを建てておくと現金が減り、相続税が課税されず節税できる可能性」があるということですね。

 
今回は、相続財産のうち、「相続税が課税されないもの」をお伝えします。

 

1. 祭祀財産

祭祀財産とは、墓地や墓石、仏壇、仏像や位牌、神棚などです。
こういった、日常礼拝をしているようなものには、相続税は課税されません。
 
ただし、骨とう的価値があるなど「投資の対象」となるものや、「商品として所有」しているものについては、相続税が課税されます。つまり、一般常識的な判断として、「特に高価な祭祀財産」の場合は、税務署から否認される、相続税の課税対象となるおそれがあります。
 
例えば、非課税になることを利用して、明らかに不自然に「高価な仏具」などを購入した場合は、認められない場合がありますので、注意が必要です。
 

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なお、香典については、喪主に対して送られるものですので、「相続財産」にはなりません
 

2. 国や地方公共団体等に寄付をした相続財産

相続や遺贈によって取得した財産でも、相続税申告期限までに国・地方公共団体・公益目的事業を行う特定の法人に寄附したもの、あるいは特定の公益信託の信託財産とするために支出したものには、相続税が課税されません。
 

3. 非課税限度枠内での生命保険金・死亡保険金

生命保険金や死亡退職金は、受取人固有の権利となるため「相続財産」ではありませんが、他の相続財産と同様に「財産価値」を有するため、みなし相続財産として「相続税の課税対象」となります。
ただし、「500万円×法定相続人の人数」までの「非課税限度額」が認められていますので、当該非課税限度額内であれば、相続税は課税されません。
 
なお、会社から受け取る弔慰金は、「常識的な金額」であれば、原則として相続財産にはなりません。
 

4. その他

相続税上は、上記の他、下記のものが「非課税」として規定されています。
 

  • 宗教、慈善、学術、その他公益を目的とする事業を行う一定の個人などが相続や遺贈によって取得した財産で公益を目的とする事業に使われることが確実なもの
  • 地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人又はその人を扶養する人が取得する心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利
  • 個人で経営している幼稚園の事業に使われていた財産で、一定の要件を満たすもの

 

5. そもそも相続財産にならないもの

(1)一審専属権

被相続人が保有していたものでも、そもそも相続財産にならないものがあります。「その人だけが持つ資格や権利」などです。これらは「一身専属権」と呼ばれます。例えば、国家資格(医師免許等)や、運転免許などです。
また、養育費請求権、扶養請求権、生活保護受給権なども相続できません
 
上記については、その性質上、被相続人が個人として認められていた権利であり、被相続人の死亡と同時に消滅します。逆に養育費支払義務などは債務控除できません。
 

(2)交通事故等の損害賠償金

例えば、事故等で遺族に入ってくる損害賠償金などは、遺族の精神的苦痛に対する賠償として支払われるため(=遺族の所得)、相続財産にはならず、課税対象にもなりません。

なお、遺族についても、所得税上非課税となります。
 

6. 祭祀財産は生きているうちに購入

(1)相続税の節税効果あり

祭祀財産には相続税がかからないため、生前に購入することで「相続財産」を減らすことが可能になります。
意外と、お墓や仏壇などはいい値段しますので、購入時期が「相続前」で相続税額が安くなるのであれば、生前購入もありかもしれませんね。
ただし、被相続人が亡くなった後に、相続人が相続財産である現金等からから「祭祀財産」を購入しても、既に相続は終わっていますので、非課税にはなりませんので注意しましょう。

 

(2)ローンは債務控除対象外

一方、生前に、被相続人が「祭祀財産」をローンで購入した場合、「相続時の被相続人のローン残高」は、相続税計算上の「債務控除」の対象になりません。
なぜなら、祭祀財産自体が「非課税財産」にもかかわらず、それに対応する「債務=ローン」の控除までできるとなると・・「いいとこどりになってしまう」からですね。
 
「祭祀財産のローン残高」は、相続税申告書作成時に債務控除の対象としないように注意しましょう。
 

7. 参照URL

(No.4108 相続税がかからない財産)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4108.htm
 

(No.4111 交通事故の損害賠償金)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4111.htm
 

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