Q80 共有名義の自宅の評価

公開日:2018/12/18 最終更新日:2021/07/01 閲覧数:4,044 views

DR154
 

「共有名義の不動産」を相続した場合、相続税上の評価は、どう行われるのでしょうか?
また、「共有名義の不動産」と「小規模宅地等の特例」の関係はどうなるのでしょうか?
 
今回は第1弾として、共有名義不動産を「自宅として利用」する場合を記載します。
 
土地、建物どちらが共有なのか?によって、パターンが2つに分かれます。

 

1. 共有って何?

共有とは、「二以上の者で、一つのものを共同で所有する」ことをいいます。
不動産の場合、登記簿謄本の「所有者欄」に、二以上の者が記載されていれば、共有となります。
(一人で所有している場合は、「単有」といいます)

 

2. 土地が共有の場合

まず、「土地」が共有の場合です。事例をもとに解説します。
 

  • 父が亡くなり、すべて母が相続することになった(父母は同一生計親族)。
  • 生前、建物は父が100%所有。土地は父と母の共有名義(50%ずつ)で登記されている。
  • 土地建物は、「自宅」として利用、小規模宅地等の特例要件は満たす。
  • 土地の全㎡数 100㎡とする。
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    (イメージ図)
    Q80-1
     

  • 父所有土地共有持ち分は、「自宅」として利用していますので、「自用地評価」となります。
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  • 「小規模宅地等の特例」との関係は、父の土地共有割合は、全体の50%ですので、
    父共有持ち分50㎡( 100㎡ × 1/2 )だけが、小規模宅地等の特例の対象となります。
     
    (母土地共有持ち分50%は、もともと父所有でないので、もちろん対象外です)
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    生前区分 対象 評価区分 小規模宅地等との関係 利用区分
    父所有土地 50㎡ 自用地 特定居住用宅地等 本人利用
    母所有土地 50㎡

     

    3. 建物が共有の場合

    次に、「建物」が共有の場合です。
     

  • 父が亡くなり、すべて母が相続することになった(父母は同一生計親族)。
  • 生前、土地は父が100%所有。建物は父と母の共有名義(50%ずつ)で登記されている。
  • 土地建物は、「自宅」として利用、小規模宅地等の特例要件は満たす。
  • 土地の全㎡数 100㎡とする。
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    (イメージ図)
    Q80-2


     

    (1) 「父建物共有持ち分」に対応する土地50㎡(すべて所有は父)

    「自宅」として利用していますので「自用地評価」となり、「居住用小規模宅地等の特例」の対象となります。

     

    (2) 「母建物共有持ち分」に対応する土地50㎡(すべて所有は父)

     

  • この部分の土地については、母は所有権を有していません。
    こういった事例の場合、当該部分は父から土地を無償で借りる(=使用貸借)ことが一般的です。
     
    使用貸借の場合、「借地権はゼロ」で評価しますので、
    結論、母持ち分建物に対応する土地(所有権は父)は、「自用地」評価となります。
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  • ただし、この「自用地部分」は、「被相続人と生計一である母の居住用」ですので、
    「特定居住用宅地等の特例」の対象となります。
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    結論、たとえ建物が共有名義であっても、「同一生計親族」の場合は、父所有土地100㎡すべてが、
    「居住用小規模宅地等の特例」の対象
    となります。
     
    なお、共有ではなく、「区分所有」の場合は、小規模宅地の特例の適用面積が異なる場合があります。
    詳しくはQ27をご参照ください。
     

    生前区分 対象 評価区分 小規模宅地等との関係 利用区分
    父建物共有持ち分対応土地 50㎡ 自用地 特定居住用宅地等 本人利用
    母建物共有持ち分対応土地 50㎡ 自用地 特定居住用宅地等 同一生計親族利用

     
    次回は、「貸家」の場合の「小規模宅地等との特例」の関係をまとめます。