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Q95 個人年金・退職年金は相続税の対象?

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「個人年金」や「退職年金」の受給期間中に死亡した場合、遺族がその「受給権」を承継し、残りの期間の「年金」を受給できます。また、「死亡保険金」や「満期保険金」も、一時金ではなく「年金形式」でもらう場合は、同様に「受給権」を承継します。
 
この「年金受給権」は、相続税法上は「定期金に関する権利」と呼ばれます。
 
では・・この「年金受給権」には、相続税がかかるのでしょうか?
(今回の「個人年金」は、保険料負担者 = 被保険者 = 年金受取人を前提とします。)

 

1. 個人年金・退職年金って?

(1) 個人年金

個人年金とは、公的年金(国民年金や厚生年金等)を補填する目的で、生命保険会社と契約する「私的年金」の一種です。

     

  • 生死に関わらず一定期間「年金」が受け取れる「確定年金」
  • 生存している限り一生涯「年金」が受けとれる「終身年金」
  • 生存している限り一定期間「年金」が受け取れる「有期年金」
  •  

など、様々な種類があります。


 

(2) 退職年金

退職年金とは、「企業年金制度」のある勤務先に勤めていた被保険者が死亡した場合、退職金の一部を「年金」として受け取るものです。


 

2. 受給者が死亡した場合の取扱い

個人年金・退職年金とも、受給者が死亡した場合、遺族は「年金受給権」を承継し、残りの期間の「年金」を受け取ることができます。

 

3. 相続税上の取り扱い(個人年金・退職年金共通)

(1) 年金受給権は「みなし相続財産」

「年金受給権」は、被相続人から取得するわけではなく、「保険会社等」から取得するものですので、本来は相続財産を構成せず、相続税の対象とならないはずです。
しかし、「将来年金をもらえる権利」(= 財産価値)を取得する経済的実態に着目し、相続税上は、「みなし相続財産」として相続税の課税対象になります。(相続税法第3条1項5号、6号)


 

(2) 非課税限度額の対象にはならない

「年金受給権」は、同じ「みなし相続財産」である「生命保険金の死亡一時金」などとは異なり、死亡保険金非課税限度額(500万円 × 法定相続人の数)の対象にはなりません。


 

(3) 遺産分割の対象にはならない

「みなし相続財産」ですので、「生命保険の死亡一時金」などと同様、保険金受取人の固有財産となり、遺産分割の対象にはなりません。

 

4. 所得税上の取り扱い

(1) 所得税上の取り扱いは異なる

相続後に遺族が受け取る「個人年金」「退職年金」にかかる所得税上の取扱いは、それぞれ異なります。
 

個人年金 雑所得として所得税が課税
退職年金 非課税(所得税基本通達9-2)


 

(2) 個人年金は「所得税課税対象」が調整される

相続等により取得した「個人年金等の年金受給権」は、取得時に「みなし相続財産」として相続税が課税され、遺族が実際年金受取時に「所得税」が課税されますので、二重課税となっています。
そこで、二重課税排除の観点より、実際年金受取時の所得税は、「相続税課税対象部分」を差し引いて算定します。
(2010年7月6日 最高裁判決)


 

5. 年金受給権の評価方法(個人年金・退職年金共通)

「年金受給権」の評価方法は、大きく、以下の2つに分かれます。
(ただし、実務上は、生命保険会社等が計算してくれます。)


 

(1) 有期定期金

年金支給期間が決まっているタイプのものです。(確定年金など)
評価額は、下記①~③のうち、最も高い金額となります。
 

① 解約返戻金
② 一時金の金額(定期金の代わりに受け取れる場合の金額)
③ 年あたりの平均給付額 × 残存期間に応ずる予定利率による「複利年金現価率」


 

(2) 終身定期金

亡くなるまでの間、終身で年金を受け取れるタイプのものです。
評価額は、下記①~③のうち、最も高い金額となります。
 

① 解約返戻金
② 一時金の金額(定期金の代わりに受け取れる場合の金額)
③ 1年あたりの平均給付額 × 平均余命に応ずる予定利率による「福利年金現価率」

 
なお、「終身定期金」というのは、個人年金の種類の1つである「終身年金」のことではありません。
「終身年金」は被相続人が生きている限り受給できる年金ですので、被相続人の死亡により受給は終了し、相続税課税関係は生じません(保険契約者 = 被保険者 = 年金受取人の場合)。
 
上記のほか、「無期定期金」(永久に定期金を受けることができるもの)もありますが、実務上は、ほとんどありませんので、今回は省略します。


 

6. 参照URL

(No.1620 相続等で取得した年金受給権の所得税調整)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1620.htm