神戸で相続のご相談なら濱田会計事務所 各線三宮駅より徒歩5分
0120-932-116
平日9:00〜18:00 ※土日でも電話対応可能です。

お問い合わせ




Q98 無道路地の評価

DR175

 

 
土地については、相続税上「路線価」や「固定資産税評価額」をもとに評価を行います。
しかし、道路に面していない土地( = 無道路地)は、そもそも「路線価」が設定されていません。
こういった「無道路地」は、どのように評価を行うのでしょうか?


 

1. 無道路地とは?

無道路地とは、建築基準法上の道路に面していない土地のことです。
道路に直接接していても、接道義務(※)を満たしていない宅地も、無道路地に含まれます。(財評通20-2)
 
「建築基準法」上の道路に面していない場合は、新たに建物建築や取り壊しができません。
したがって、無道路地は、その分利用価値が低くなるため、相続税上の評価も下がります。
 
(※)接道義務とは?
建築物の敷地は、道路に2m以上接しなければならない。(建築基準法第43条)
ただし、一定の場合、地方公共団体は条例で必要な制限ができる(同43条第2項)
地方公共団体によっては、接道義務が2m以上に設定されている地域もあります。


 

2. 無道路地の評価方法(財評通20 – 2)

具体的な評価は、以下の2ステップとなります。
 

・無道路地(評価対象地)と道路に面している隣接地を一体の土地として評価する。
・上記「一体土地評価額」から「隣接地評価額」を差し引く。
・上記差引後、評価対象地を不整形地とみなして、不整形地補正を行う。
・無道路地(評価対象地)から建築基準法上の道路につながる仮定の通路を作る。
・上記①の評価額から、仮定通路の評価額を差し引く(最大4割

 
なお、既に建物建築済の土地の場合は、無道路地でない可能性が高いです。
無道路地の場合は、相続税評価額が低くなりますので、事前に無道路地かどうか?( = 建築基準法の道路に接していないか)を、役所等に確認しておく方がよいと思います。


 

3. 具体例

  • 以下の評価対象地A(青い土地)は、相続税上どのように評価しますか?
  • 隣接地Bは、建築基準法上の道路に面しています。(路線価200千円/㎡)
  •  
    (普通住宅地区)
    191114Q98_1_2


     

    (1) ステップ1 一体評価額から隣接地評価額を差し引く

    まず、①無道路地Aと隣接地Bを「一体の土地」として評価し、②隣接地Bの評価額を差し引き、③最後に、不整形地補正等を行います。
     

     ① 一体土地(A + B)の評価額(奥行価格補正後)

       200千円 × 0.91(40mの奥行価格補正率) × 800㎡(無道路地 + 隣接地)= 145,600千円

     ② 隣接地の評価額(奥行価格補正後)

       200千円 × 1.00(20mの奥行価格補正率) × 400㎡(隣接地のみ)= 80,000千円

     ③ 差引(① – ②)

       145,600千円 – 80,000千円 = 65,600千円

     ④ 不整形地補正(又は間口狭小・奥行長大補正)

       65,600千円 × 0.71(※)= 46,576千円
     
    (※)
      ① 0.79(不整形地補正率)× 0.90(間口狭小補正率)= 0.711
      ② 0.90(間口狭小補正率)× 0.90(奥行長大補正率)= 0.81

    小さい方の小数点第2位未満を切り捨て ⇒ ① 0.71

     
    (ご参考・普通住宅地区)

    奥行価格補正率 0.91(40m)、1.00(20m)
    不整形地補正率 0.79(普通住宅地区A かげ地割合50%)
    (800㎡ – 400㎡)÷ 800㎡ = 50%
    間口狭小補正率 0.90(2m)
    奥行長大補正率 0.90(40m ÷ 2m = 20倍)


     

    (2) ステップ2 仮定通路評価額を差し引く

    建築基準法の接道義務(2m)を満たすよう、便宜上、無道路地Aから建築基準法上の道路に面する通路(幅2m)を、隣接地B上に開設すると仮定します。(通路C)
    この「仮定通路C」を開設するためには、隣接地Bの所有者から土地を買い取る必要があるため、買い取り諸費用部分を、ステップ1で算定した評価額から差し引きます。
     
    (普通住宅地区)
    191114Q98_2_2
     
    「仮定通路開設諸費用」は、仮定通路の評価額(路線価 × 通路面積)で算定します。
    ただし、上限は評価対象地の評価額の4割が上限となります。
     

    ① 仮定通路の評価額(奥行価格補正率は考慮しない

    200千円 × 40㎡ = 8,000千円

    ② 限度額の比較

    8,000千円 < 18,630千円(= 46,576千円 × 40%)⇒ 全額差引可能

    ③ 評価額

    46,576千円 – 8,000千円 = 38,576千円


     

    4. 参照URL

    (無道路地の評価)
    https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/02/03.htm#a-20_3
     
    (奥行価格補正率等)
    http://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/02/07.htm