Q14 債務控除・葬式費用って?

公開日:2017/04/28 最終更新日:2020/01/23 閲覧数:1,914 views

DR078

 

当たり前ですが、相続税は、亡くなった人の「財産」を取得した方にかかります。
でも・・亡くなった方には「財産」だけでなく、「借金」もあるかもしれません。
このような借金は「相続税」上、どう評価されるんでしょうか?
 
実は・・亡くなった方の借金などは、相続税の課税価額の計算上「控除」することができます。

つまり、税額がその分安くなるんですね。
これが「債務控除」と呼ばれるものです。
 
また、お葬式などの費用は、厳密には、亡くなられた方の「債務」ではありませんが、死亡した際には確実にかかる費用である点を考慮して、「債務控除」が認められています。

 

(イメージ図 亡くなられた方の財産・負債)

 

Q14-1

 

1. 債務控除の対象(葬式費用は後述しますので、ここではそれ以外です)

亡くなった人の負債で、支払うことが確定しているものです(相 14条)。
債務控除の対象となるもの、ならないものは以下の通りです。

 

対象になる 対象にならない
  • 金融機関等からの借入金
  • 未払医療費、未払飲食費(※1)
  • 所得税、住民税、固定資産税など(※1)
  • 光熱費等の未払公共料金(※1)
  • 老人ホームなどからの請求(※1)
  • 事業上の買掛金・預り敷金・保証金等
  • 連帯債務の負担部分
  • 住宅ローン(団信)(※2)
  • 保証債務(※3)
  • 相続関係の税理士費用・弁護士費用
  • 相続財産の名義変更費用(登録免許税、司法書士報酬など)
  • 信託銀行などに支払う遺言執行報酬
  • 時効が成立している債務

 

(※1)すべて、相続後に支払ったものです。
相続前に支払ったものは、単に相続財産の減少(現金の支出)ですので、債務控除以前に「相続財産」が減少しています。
 
(※2)住宅ローンは、団信が保険金を収受して債務がなくなりますので、債務控除の対象とはなりません。
単純に、自宅を「相続財産」として評価するだけです。
 
(※3)保証債務は、被相続人の債務ではなく、支払が確定していないため債務控除できません。
例外的に、「債務控除」の対象となる場合は以下の場合です。
「債務者が弁済不能で、保証人が債務を返済しなければならない場合⇒「主たる債務者に求償権を行使できない金額」

 

2. 控除できる葬式費用の対象(相基通 13-4、13-5)

 

対象になる 対象にならない
  • お通夜費用
  • 葬式費用・飲食代(仮葬式・本葬式)
  • 会葬御礼(※1)
  • お寺へのお布施、戒名料(※2)
  • 火葬・埋葬の費用
  • お礼(※2)
  • 納骨費用(※3)
  • 生花など
  • その他葬式前後に発生した費用で通常必要と認められる費用
  • 香典返し費用
  • 初七日・四九日法要費用(※4)
  • 非課税財産に係る未払金
    (墓地や仏壇など)
  •  医学上、裁判上の特別費用
    (死体の解剖費用など)
  • 親族の交通費や宿泊費
    (葬儀に直接関係する費用ではないため)

 

(※1)参拝者に対して渡すお品代(会葬御礼)で、別途香典返しをしない場合は、「香典返しとみなされる」ため、葬式費用として控除できません。
 
(※2)領収書がないのが通常ですが、領収書がなくても支払った事実があれば控除できます。メモ書き等で記載を残しておく方が安全ですね。
 
(※3)納骨は、49日法要の際にすることが多いですが、「納骨費用」は葬式費用に該当します(墓石への刻印費用は×)
 
(※4)本葬と初七日を同時に行う場合(繰り上げ初七日)もあります。
本葬と初七日の区別が明確にできない場合は、初七日に係る費用は「葬式費用」として控除できます。

 

3. 債務控除することができる対象者

相続人又は包括受遺者(遺贈により財産を取得した方)
ただし、一定の方は葬式費用を控除できない場合があります(制限納税義務者)。