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Q20 小規模宅地等の特例って?(総論)

公開日:2017/05/31 最終更新日:2020/01/24

DR084

 

例えば、旦那様と一緒に住んでいた奥様がそのお住まいを相続する場合に、相続税がかかってしまうと、奥様の生活基盤を脅かしてしまう可能性がありますよね。
不動産を処分するにはそれなりの時間がかかりますし、相続税申告期限までに相続時を支払えない可能性もあります。
 
そこで、こういった「居住用」あるいは「事業用」で利用していた宅地等については、「小規模宅地等の特例」という相続税上の恩典があり、相続税が大幅に安くなります。

 

1. 小規模宅地等の特例って何?

一定要件を満たす被相続人の宅地等につき、相続税評価額を大幅に引き下げてくれる制度です(50% ~ 80%)。

 

2. 小規模宅地等の特例制度の種類

下記の4つの種類があります。

 

種類 内容 限度面積 減額割合
特定居住用宅地等 被相続人等が居住していた宅地等 330㎡ 80%
特定事業用宅地等 被相続人等の事業用(除貸付事業)に使用されていた宅地等 400㎡ 80%
特定同族会社事業用宅地等 特定同族会社の事業用(除貸付事業く)に使用されていた宅地等 400㎡ 80%
貸付事業用宅地等 被相続人等の貸付事業用(不動産貸付)に使用されていた宅地等 200㎡ 50%

 

上記はすべて、限度面積までは併用が可能です。
ただし、どれを併用するかにより、「合計面積に制限」が生じる場合がありますので、注意しましょう。
 

  • ①と②③(事業用)を併用する場合は、合計での制限はありません。
    つまり、①と②③合わせて最大730㎡(330㎡ + 400㎡)まで利用できます。
  • ④とその他(①~③)を併用する場合は、合計制限があります。
    詳しくは「複数土地がある場合の小規模宅地等の特例の併用」をご参照ください。

 

3. 評価額減額の計算例

 

母と同居していた娘が、母所有の宅地等につき「特定居住用宅地等の特例」を適用するケース。要件はすべて満たすものとします。

  • 特例適用前 土地評価額 150百万円
  • 土地の面積 990㎡

 

(減額される金額)

150百万円 × 330㎡(限度額)/ 990㎡ × 80%(減額割合)= 40百万円
 

(課税価格)

150百万円 – 40百万円 = 110百万円
 

(結果)

小規模宅地等の特例を適用した結果、40百万円評価額が減額されます。

 

4. 制度適用の要件

小規模宅地等の特例「4種類」とも共通です。
要件は、(1)から順に判断していきます。

 

(1) 対象物 被相続人が保有していた宅地等(建物は含まない)(※1)
(2) 取得方法 個人が相続又は遺贈により取得した財産(※2)
(3) 利用者 相続開始直前において、被相続人又は同一生計親族が利用(※3)
(4) 利用状況 居住用又は事業用(貸付事業も含む)宅地等(※4)
(5) 4種類ごとの要件 4種類(特定居住用宅地等、特定事業用宅地等、特定同族会社事業用宅地等、貸付事業用宅地等)の各要件を満たす
(6) 面積要件 限度面積を満たすもの

 

(※1)宅地等とは?

土地及び土地の上に存する権利(借地権など)で、一定の建物等(建物又は構築物)の敷地の用に供されているものをいいます。
なので、車庫など、何らの設備もない「駐車場敷地」などは含まれません。
 

(※2)「暦年贈与」や「相続時精算課税」によって取得した土地は対象になりません。

逆にいうと、「小規模宅地等の特例」を利用できる土地などを「生前贈与」すると、損してしまう場合もあるということです。
 

(※3)同一生計親族とは?
  • 被相続人と同一の家屋に住んでいる親族(同居)
  • 被相続人と同一の家屋に住んでいない親族(非同居)で、常に被相続人から生活費等の仕送りをうけていたもの

 

(※4)貸付(不動産)事業には、準事業 5棟10室基準を満たさないものも含みます。

ただし、使用貸借による貸し付けは、事業とはならないため×です)
 

(被相続人保有宅地等で、相続又は遺贈により取得した財産)

Q20-3

 

利用者が「被相続人」ではなく、「同一生計親族」の場合は、少しイメージがつかみにくい所だと思います。
次回改めて詳しく解説します。