Q22 小規模宅地等の特例1 特定居住用宅地等の特例

公開日:2017/05/31 最終更新日:2020/01/25 閲覧数:1,923 views

DR087

 

「小規模宅地等の特例」には、4種類あることをご説明しました。
今回は、4種類のうち1つ目「特定居住用宅地等の特例」について解説します。
ほとんどのパターンが、これに該当するのはないでしょうか?

 

1. 特定居住用宅地等の特例とは?

特定居住用宅地等(被相続人や同一生計親族が居住(※)していた宅地等)を、被相続人の配偶者又はその他の親族が取得し、一定要件を満たした場合、評価額を80%減額してもらえる制度です。

(※)居住とは生活の拠点を指します。単身赴任で一時的に別の場所に住んでいた場合は〇です

 

2. 一定要件とは?(租法69の4③二)

宅地等の利用者(被相続人 or 同一生計親族)によって2パターン分かれます。

 

(1) 被相続人が居住していた場合

「宅地等を取得する人」によって要件が異なります。
 

① 配偶者が取得する場合

 要件はありません。配偶者は厚く保護されています。

 

② 同居親族が取得する場合

 相続税の申告期限まで、引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を相続税の申告期限まで所有していること。

 

③ 非同居親族が取得する場合

 ちょっとややこしいですが・・次の要件すべてを満たす必要があります。

  • 被相続人に配偶者及び同居する相続人がいない
  • 宅地等の取得者は、3年間持ち家(配偶者の持ち家含む)がないこと(=マイホームがない人)(※)
  • 取得した土地等を申告期限まで所有
  • 相続開始の時において、被相続人 or 相続人が日本国内に住所を有している or 相続人が日本国内に住所を有しない場合で日本国籍を有していること

 
① → ③になるにつれ、要件が厳しくなっています。
被相続人との関係性により、要件に差異が設けられているんですね。

 

(※)平成30年改正により、マイホームがない方のうち、以下の方は×となりました。

  • 相続開始前3年以内にその者の3親等内の親族や、特別の関係がある法人が所有する家屋に居住したことがある者(=お孫さんなどは×ということ)
  • 相続開始時に居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者(同族会社に売却して、同族会社から賃貸を受けても×)

 

 

(2) 同一生計親族が居住していた場合

「宅地等を取得する人」によって要件が異なる点、上記(1)と同様です。
 

① 配偶者が取得する場合

要件はありません。配偶者は厚く保護されています。

 

② 同一生計親族が取得する場合

相続税の申告期限まで、引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を相続税の申告期限まで所有していること。

 
なお、上記(2)の場合は、被相続人が居住しているわけではないので、同居、非同居という区分はでてきません。
また、配偶者 or 同一生計親族が取得する場合に限定されている点が特徴的です(生計別親族は×です)。

 

3. 限度面積

330㎡までとなります。

 

4. 申告書への添付書類

相続税申告書提出の際に、次の「添付書類」が必要となります。
(マイナンバー制度により「住民票」の提出は不要となりました)
 

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 遺産分割協議書の写し(or 遺言書の写し)
  • 相続人全員の印鑑証明書

 
また、被相続人と同居していない親族が特例を受ける場合は、上記に加えて「居住していた家屋の登記簿謄本、借家の賃貸借契約書など」も必要です