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Q4  結婚・出産・子育て等資金に贈与税はかかる?

公開日:2017/02/10 最終更新日:2020/07/26

DR018

扶養義務者間での生活や結婚等の資金については、「その都度支払う分」は贈与税がかかりませんが、一括贈与する場合は、原則として贈与税がかかります(Q2参照)

ただし、「結婚や子育て等に対する資金」については、一括贈与の場合の特別の非課税枠が、平成27年4月1日よりスタートしました。「結婚・子育て等資金の一括贈与の非課税制度」と呼ばれます(措置第70 条の2の3)

 
結婚資金

 

1.結婚・子育て等資金の一括贈与の非課税制度って?

期間限定で、非課税の上限も定められています。概要は以下の通りです。

期間 平成27年4月1日~令和3日3月31日
非課税枠 受贈者(子供や孫など)1人につき1,000万円まで(※1)
(結婚関係は300万まで)(※2)
また、暦年贈与(年間110万まで)との併用も可能
終了時期
  • 受贈者が満50歳に達した場合などに終了し、口座残高に対して贈与税が課税される。
対象
  • 直系尊属からの「結婚資金等の贈与」
  • 受贈者は、20歳以上50歳未満
  • 直系尊属なので、おじやおばは×(養父母は〇)
    受贈者の配偶者(子や孫等の配偶者)の直系尊属は×
手続
  • 銀行等で「結婚・子育て資金口座」を開設して入金
  • 毎年領収書を銀行等に提出(※3)

 

(※1)贈与者1人ではない(例 祖父1,000万円+祖母1,000万円=2,000万円×
(※2)非課税限度額の総額はあくまで1,000万円であり、1,000万円の枠内に、結婚関係支出300万円が含まれる
1,300万円までが非課税ではない。

 

2.結婚等資金の範囲

内閣府Q&Aで、細かく規定されていますが、実務では判断に迷うものも多いです。
以下、代表的なものを記載しますね(詳しくは内閣府HPをご参照ください。)

(1)結婚関係

  • ①結婚式・披露宴費用
    • 挙式費用、衣装代、披露宴、2次会費用等
    • 入籍前後1年内支払のもの対象
    • 婚活費用、結納式費用、指輪、エステ代は×

 

  • ②新居の引っ越し、賃料
    • 新居賃料、敷金、礼金、新居引越費用等
    • 家賃等は、入籍前後1年内契約で、契約日から3年間に支払われたもの
      (「引越費用」は転居日が入籍前後1年内のもの)
    • 光熱費、家具家電購入費、引越レンタカー代は×

(2)妊娠・出産・育児関係

  • 不妊治療費用、妊婦検診、出産費用、産後ケア費用、子の治療費、予防接種、検診費、医薬品代(処方箋)、入園料・保育料(ベビーシッター代含む)等
  • 子供の医療費に関しては、小学校入学前までの費用のみ
  • 上記に関連する交通費、ベビー用品の購入費などは×

 

3.手続

(1)開始手続

①金融機関で口座開設
「結婚・子育て口座」を開設して入金(口座は子や孫名義、信託会社の場合は本人名義)。
その際、「結婚・子育て資金非課税申告書」を提出

②税務署への提出
金融機関が「結婚・子育て資金非課税申告書」を税務署に提出
(消費者や税理士が、直接税務署にいくことはありません)

③払出方法を決定

  • 結婚等資金を立替払後に、領収書等を持参して銀行口座から払い出す方法
  • 先に口座から自由に引き出し、後で領収書等を金融機関に持参する方法

 

4.結婚・子育て等資金以外の支払いを行った場合は?

贈与税が課せられます。
結婚・子育て等資金以外の支払を行った場合、ご自身で「贈与税申告」を行わなければいけません
(銀行がやってくれるわけではない)

5.終了時点と課税時期

次の場合に終了します。終了時点で課税されます。
①受贈者が50歳に達した場合
②結婚等口座残高が0になった場合
③受贈者が死亡した場合

 

    • 上記①②の場合、「結婚等資金支出額」を超える分に「贈与税」が課税されます。
      注意点は、領収書等を提出しなかった場合も、残額がゼロになれば、「結婚等支出額を超える部分はあくまで課税される」という点です。

 

    • 上記③の場合は、たとえ口座に資金が残っていても贈与税は課税されません
      (ただし、残額は、当然亡くなった方の「相続財産」として課税対象となります)

 

  •  銀行口座は、中途解約はできません。一度利用開始すると、後に戻れませんので!

 

6.贈与者が先に死亡した場合

上記終了時点までに、贈与者が先に死亡した場合はどうなるんでしょうか?
一般的には、このケースが一番多いと思います。

(1)相続税の課税対象になる

この場合、贈与者が死亡した時点で使いきれなかった分は、相続時に受贈者(お孫様等)にあげたものとみなされ(遺贈)、相続税がかかります。ここ、教育資金一括贈与Q3と違う点なので注意しましょう。

これがあるので・・あまりメリットがないと言われているとこです。

(教育資金一括贈与非課税制度との違い)

贈与者が亡くなった時点で、「教育資金一括贈与非課税制度」と比較します。

教育資金 結婚等資金
贈与者が先に死亡した場合
  • 先に亡くなっても、相続税の課税対象にならない(受贈者が30歳になるまではずっと非課税)
  • 亡くなった時点で相続税の課税対象となる(贈与者への遺贈)

 

(2)メリットは?

上記でわかることは、この制度を利用して贈与税や相続税が非課税になるのは、「贈与した方が生きている間だけ」ですので、あまりメリットはないかもしれません。

ただし、贈与者が先に亡くなった場合、「遺贈」扱いにはなるものの、「相続税額の2割加算」の対象にはなりません。

ですので、例えば、受贈者がお孫さんなどの場合(=法定相続人ではない)は、2割加算されずに相続税が計算されますので、多少メリットがありそうです。

7.メリットデメリット

この「結婚・子育て等資金の一括贈与」を検討する前提として、「その都度」贈与は非課税(Q2)という点を理解されていない方が多いです。まずはそちらを検討の上、不足分につき、この制度を検討することになります。

 

メリット デメリット
  • 贈与者が亡くなる前にすべて使い切れば、贈与税も相続税もかからない
  • 先に贈与者が亡くなった場合、遺贈扱いとなるが、相続税の2割加算の対象にならない
  • 相続開始前3年以内の生前贈与加算の適用がない
  • 支出の用途が広いため利用できる場面は多い
  • 使い切れなかった場合や、目的外支出の場合は贈与税がかかる
  • 贈与者が先に死亡した場合は、その時点で遺贈扱いとなり、相続税がかかる。
  • 金融機関への領収書提出が大変
    (毎年提出⇒終了するまで続く・・)
  • 贈与者の資金繰り
    贈与者自身の老後の資金繰りへの影響(現金贈与だし、特定の孫だけというわけにいかない・・)

 

~参照URL~

(結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度)

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku-zoyo/201504/01.htm