Q82 賃貸併用住宅の土地・建物の相続税評価は? 賃貸併用住宅にすると固定資産税が安くなるのか?

 最終更新日:2022/08/16 閲覧数:5,680 views


 

例えば、不動産賃貸マンションを事業をされていて、そのマンションにご自身も居住されている場合、土地、建物はどのように評価するのでしょうか?「賃貸併用住宅」と呼ばれます。

今回は、賃貸併用住宅の土地・建物の評価につき解説します。

 

1. 具体例

同じ建物内で、自宅部分と第三者賃貸部分が混在している場合、賃貸併用住宅と呼ばれます。

こういった賃貸併用住宅はどのように評価されるのでしょうか?

 

  • 父が亡くなり、すべて母が相続することになった(父母は同一生計親族)。
  • 生前、土地と建物は、どちらも父が100%所有
  • 1Fは自宅、2F,3Fは貸家として利用、小規模宅地等の特例要件は満たす。
  • 土地の全㎡数 90㎡。1F、2F、3Fの面積は全く同じとする。
  • 土地は一筆の土地、建物は区分所有登記していないものとする。
  •  

    2. 土地の評価

    土地に関しては、1F、2F、3Fの床面積で按分します。
    90㎡÷3=30㎡

    按分した結果、自宅居住部分は「自用地評価」、賃貸部分は「「貸家建付地評価」となります。

    また、1F自宅部分は「特定居住世宅地等の特例」、2F・3F賃貸部分は「貸付事業用宅地等の特例」の適用が可能です。

     

    生前区分 対象 評価区分 小規模宅地等との関係 区分
    父所有土地 1F 30㎡ 自用地 特定居住用宅地等 本人居住
    2F 30㎡ 貸家建付地 貸付事業用宅地等 本人利用
    3F 30㎡ 貸家建付地 貸付事業用宅地等 本人利用

     

     

    3. 建物の評価

    建物も土地と同様に、それぞれの用途に応じて評価を行います。
    1Fは自宅のため「自用家屋」、2F・3Fは賃貸しているため「貸家」として評価します。貸家の「借家権割合」は一律30%となります。

     

    4. 使用貸借の場合は?

    例えば、家族間で賃貸するケースでは、有償ではなく無償の「使用貸借」で建物を貸すことがあります。こういった「使用貸借」の場合、その権利は弱いものであり、借地借家法においても保護されていません。したがって、「使用貸借」が行われている場合の土地の評価は、「自用地評価」となります。貸付事業用宅地等の特例の利用もできません。

    5. 賃貸併用住宅と固定資産税

    固定資産税には軽減措置があります。
    課税標準額が、一戸あたり200㎡までは1/6に減額され(小規模住宅用地)、200㎡を超える部分は1/3に減額されます(一般住宅用地)。
    例えば、3階建ての600㎡の自宅マンションであれば、200㎡までは1/6に減額されますが、残400㎡については、1/3の減額となります。
     

    一方、上記の固定資産税減免の対象となる「小規模住宅用地」は「住宅の敷地で、住宅1戸につき200平米までの部分」です。
    つまり、賃貸併用住宅として、2F、3Fを賃貸で貸し出せば、合計住宅は3戸となります。

    したがって、自宅マンションを賃貸併用住宅にすれば、自宅の他に2戸を賃貸住宅ができ、600㎡まで1/6の減額が受けられるため、固定資産税を引き下げることが可能です。
     

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