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Q96 旗竿地の評価方法

公開日:2019/10/10 最終更新日:2019/10/18

DR173

 

 
旗竿地とは、名前の通り、間口が狭くなっていて、旗のような形状となっている土地のことです。
この旗竿地は、相続税上どのように評価するのでしょうか?


 

1. 旗竿地の相続税上の評価は低い

旗竿地は、一般の整形地と比べると用途が限定されるため、相続税評価額は下がります。
相続税上は、以下の補正を行います。
 

奥行価額補正率・間口狭小補正率 間口が狭く、奥行価額が長いため、奥行価額補正率、間口狭小補正率の適用により評価が下がる。
不整形率補正 整形地ではないため不整形地補正率の適用により評価が下がる。


 

2. 旗竿地の評価

 
191018souzoku1_1_2
 
旗竿地は、以下の方法で評価を行います。
 

① 「想定整形地」の評価額から「かげ地」の評価額の差引計算を行う。
② 上記①差引後の評価額につき、不整形地補正等を行う。

 
「想定整形地」とは、評価対象地の全域を囲む、最小面積の長方形(赤線部分)のことをいい、「かげ地」とは、想定整形地の中で評価対象地以外の部分(黒塗部分)を指します。


 

3. 具体例

 
(普通住宅地区)
191018souzoku1_2_2


 

(1) 差引計算

想定整形地、かげ地それぞれの評価額は、奥行価格補正率を考慮して算定します。
 

① 想定整形地の評価(赤線部分)
200千円(正面路線価) × 0.95(奥行価格補正率) × 720㎡ = 136,800千円
② かげ地の評価(黒塗部分)
200千円(正面路線価) × 1.00(奥行価格補正率) × 300㎡ =   60,000千円
③ 旗竿地の評価(青塗部分)
(136,800千円 – 60,000千円) ÷ 420㎡ = 182.8千円

 
(ご参考・普通住宅地区)

奥行30mの奥行価格補正率 0.95
奥行15mの奥行価格補正率 1.00

 
上記差引計算の結果、旗竿地の1㎡あたりの評価額は、182.8千円/㎡となり、想定整形地の1㎡あたりの評価額190千円/㎡(200千円 × 0.95)よりも、評価額は低くなりました。


 

(2) 不整形地補正(不整形地補正率表 注3参照)

上記(1)の差引計算後、不整形地補正等を行います。
不整形地補正は、以下のどちらか小さい方の選択が可能です。(0.60が限度)
 

① 不整形地補正率 × 間口狭小補正率(小数点第2位未満切捨)
② 間口狭小補正率 × 奥行長大補正率(小数点第2位未満切捨)

 

① 0.85(不整形地補正率) × 0.94(間口狭小補正率) = 0.799
② 0.94(間口狭小補正率) × 0.90(奥行長大補正率) = 0.846
小さい方の小数点第2位未満を切捨、
① 0.79(小数点2位未満切捨)

182.8千円 × 0.79 = 144.4千円/㎡

 
(ご参考・普通住宅地区)

不整形地補正率 0.85(普通住宅地区A 300㎡ ÷ 720㎡ = 0.4166)
間口狭小補正率 0.94(4m以上6m未満)
奥行長大補正率 0.90(30m ÷ 4m = 7.5倍)


 

(3) 最終的な旗竿地の評価

144.4千円/㎡ × 420㎡ = 60,648千円


 

4. かげ地部分の「奥行価格補正率」が1.00未満の場合

例外的に、かげ地の奥行が短いため、「かげ地の奥行価額補正率」が1.00未満」の場合は、かげ地部分の奥行価格補正率を1.00で計算できる規定があります。
単純な差引計算では「不合理な結果になるため」ですね。以下の例題で解説します。
 
(普通住宅地区)
191018souzoku1_3_2


 

(1) かげ地の奥行価格補正率の把握

かげ地奥行5m(奥行価格補正率0.92) < 1.00未満のため、かげ地部分の奥行価格補正率は0.92ではなく、1.00で計算を行う。


 

(2) 差引計算

想定整形地、かげ地それぞれの評価額は、奥行価格補正率を考慮して算定します。
 

① 想定整形地の評価(赤線部分)
200千円(正面路線価) × 0.95(奥行価格補正率) × 720㎡ = 136,800千円
② かげ地の評価(黒塗部分)
200千円(正面路線価) × 1.00(補正後奥行価格補正率) × 100㎡ = 20,000千円
③ 旗竿地の評価(青塗部分)
(136,800千円 – 20,000千円) ÷ 620㎡ = 188.3千円

 
仮に、かげ地の本来の奥行価額補正率0.92を用いて差引計算すると、評価額は190.9千円/㎡となり、通常の路線価計算190千円/㎡(200千円 × 0.95)よりも評価が高くなるという不合理が生じます。
そこで、こういった場合は、上記のように1.00(補正後奥行価格補正率)で計算します。

 
(ご参考・普通住宅地区)

奥行30mの奥行価格補正率 0.95
奥行5mの奥行価格補正率 0.92


 

(3) 不整形地補正(不整形地補正率表 注3参照)

上記(2)の差引計算後、不整形地補正等を行います。
上記「3.具体例」と同様、どちらか小さい方の選択が可能です。(0.60が限度)
 

① 不整形地補正率 × 間口狭小補正率(小数点第2位未満切捨)
② 間口狭小補正率 × 奥行長大補正率(小数点第2位未満切捨)

 

① 0.99(不整形地補正率) × 0.94(間口狭小補正率) = 0.9306
② 0.94(間口狭小補正率) × 0.90(奥行長大補正率) = 0.846
小さい方の小数点第2位未満を切捨、
② 0.84(小数点2位未満切捨)

188.3千円 × 0.84 = 158.1千円/㎡

 
(ご参考・普通住宅地区)

不整形地補正率 0.99(普通住宅地区B 100㎡ ÷ 720㎡ = 0.1388)
間口狭小補正率 0.94(4m以上6m未満)
奥行長大補正率 0.90(30m ÷ 4m = 7.5倍)


 

(4) 最終的な旗竿地の評価

158.1千円 × 620㎡ = 98,022千円


 

5. 想定整形地の奥行価額が短い場合

ややこしいのですが・・上記4の例外の規定があります。
例外の例外で、ちょっとややこしいですが。
 
「想定整形地」の奥行が短い結果、「想定整形地」の奥行価格補正率が1.00未満となる場合は、かげ地部分の奥行価格補正率は、たとえ1.00未満であっても1.00に調整せず、想定整形地と同一の奥行価格補正率を用いて計算します。
 
(普通住宅地区)
191018souzoku1_4_2
 
(ご参考・普通住宅地区)

奥行8mの奥行価格補正率 0.97(普通住宅地区) < 1⇒ 1.00で計算する
奥行5mの奥行価格補正率 0.92(普通住宅地区)


 

6. 参照URL

(不整形地の評価)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hyoka/03/16.htm
 
(奥行価格補正率等)
http://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/02/07.htm